11/22/2009

Cue



Lonely Woman

Ornette Coleman ATLANTIC RECORD (ATLANTIC 1317)



1920年に施行された飲酒を禁止した法律「禁酒法」。

20年代のアメリカ。
所謂「ローリング・トゥエンティーズ」は 華々しい経済復興の時代でもあり、
人々は戦争からの 開放感と経済繁栄に酔いしれ「狂気と祝祭」「華やかさとけだるさ」
そして19世紀的な道徳を否定する「享楽的刹那的な価値観」。
アフリカをルーツとする音楽とヨーロッパをルーツとする音楽が衝突した「Jazz 」。

大量生産、大量消費の始まりは同時にマスカルチャーの誕生を意味し
「流行」という強迫概念が定着し現代生活の礎となり、
スコット・フィッツジェラルドは「芸術と過剰さ」の時代を総して
【ジャズ・エイジ】と呼ばれる様になりました。

現代社会の大量生産・大量消費のスピードは更に加速し、
市場経済が実質経済を追い越しかねない状況。

株価指数のように細かく刻むハイハットのリズム。
ユニゾンするテーマに生じる微妙な「ズレ」は
現代社会特有の閉塞感・矛盾やを連想させ、
その中で叫び続けるサックスフォン。

『LONELY WOMAN』とは、
『LONELY CROWD(孤独な群衆)』なのかもしれない。