【 安楽死させられる人工知能 】
現像室のような赤い照明の暗室に絶え間なく聴こえる酸素ボンベの呼吸音~そこは
宇宙船という無重力の密室。彼はちょうど麻酔が効いてきた患者のように、
朦朧とする意識の中で文脈の見えない話を途切れ途切れに語る。
そして・・・
【 小説VS 映画 】 映画『 2001年宇宙の旅 』での「♪Daisy~Daisy~」と
HAL9000が歌う例のあまりにも有名なシーン。
1961年に実際に人工音声で最初に歌われたというエピソードと
歌詞の「I'm Half Crazy~」のくだり。
ここに原作者アーサー・C・クラークとは別の価値観をとても強く感じる。
皮肉好きなキューブリック監督が持つブラックユーモアへの嗜好か?
映画『2001年宇宙の旅 / 2001: A Space Odyssey』1968年(英・米)141分
監督・制作 スタンリー・キューブリック Stanley Kubrick
原作 アーサー・C・クラーク Arthur C. Clarke
脚本 スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
【 On a Bicycle Built for Two 】
原曲は19世紀末イギリスのハリー・ダクレ(Harry Dacre)作詞・作曲による、
「二人乗りの自転車 」別名「デイジー・ベル/Daisy Bell」 。
明るいフォルクローレ調のこの曲、古いJAZZファンには
ナット・キング・コールの歌うバージョンで知られているらしい。
text and traced by
【 gkz 】
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" Dask Light "
~灯ともる頃~
アルバム「Dusk Light」 Marty Paich Trio MODERECORDS MOD-LP-105
夜の影は灯の下にしか現れない。
昼間には当然あるはずの自分の影は、
夜の闇に紛れ込んでしまう。
再び光の下へ─
いつもの自分の影に安堵を覚える。
それは影の実物に近づく、すなわち
自分の実存性を確認することなのかもしれない。
夜。光から遠ざかること。
それは日常世界から距離をおく時間。
今宵も
レコードは回り続ける…
個人的にはピアニストのイメージよりもアレンジャーとしての印象が強い彼ですが、
本作品ではトリオというシンプルな構成でソリストとしての底力が伺えるアルバムです。
text by
【 DJ 】
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" THE APRIL FOOLS "
歌 : 高橋幸宏 作曲 : BURT BACHARACH
久しぶりにカセットテープの山をゴソゴソ漁っていると、
《 高橋幸宏のオールナイトニッポン 》と書いたカセットテープが出てきた。
1983年。あの頃 火曜日の夜は9時からFMで教授の"サウンドストリート"を、夜中の1時からはユキヒロの"オールナイトニッポン"をエア・チェックしていたことを思い出した。
(YMO)高橋幸宏のオールナイトニッポン ON AIR風景 |
ある晩、ユキヒロが放送中に「新しいアルバムをリリースしました。これからはエンディングテーマに" April Fools "を…」とかなんとか言ってかけたのがきっかけで、以来毎回 番組の最後はこの曲で締めるようになったような記憶がある。半分眠りに落ちたような状態で聴くユキヒロの歌声はいつも心地良かった。
実はこの曲、ずっと好きな癖に音源としては未だキチンと聴いたことが無い。そればかりか毎週放送で聴いていたせいで、頭の中で曲を再生すると「ピポ・ピポ・ピポ・ポーン♪」という3時の時報までが曲の一部のような錯覚がいつまでも消えないのだ。
一度はちゃんと聴きたいような、このまま記憶を辿る形で終わらせたいような…
そう思いながら26年も経ってしまった、一曲。
text by【 電気羊 】