8/23/2009

" Time And Again "




Noel Coward & Stuff Smith Verve Records MS V-8206

Jazz界(?)で、ヴァイオリンの名手と言えば・・・?
個人的にはやはり【ステファン・グラッペリ】ではないでしょうか。
【ジャンゴ・ラインハルト】と共にジプシー・スウィングとスウィング・ジャズを
掛け合わせた「マヌーシュ・スウィング」と呼ばれる、情熱的で哀愁漂い、そして
小気味良くスウィングするサウンドは今でも多くの人に愛され支持されているようです。

そして、【ステファン・グラッペリ】と対照的なプレイヤーが
【スタッフ・スミス】ではないでしょうか?



今回の曲『Time And Again』はイギリスの劇作家、作曲家、監督、
俳優、歌手と 多彩な才能の持ち主【ノエル・カワード】との共作です。
少し荒々しいとも思われるアタック感のある力強い演奏、
アドリブの合間に聞かれる ピチカートの音、グリッサンドやポルタメントを
クラシックよりは多用する点は 彼ならでは演奏と云えるのではないでしょうか。

余談ですが、彼がプロとしての活動を始めたのは1920年代後半の
テキサスのアル・トレント楽団と云われております。が、この楽団、
カンサス・シティの【ブルー・デビルズ】等と肩を並べる程の楽団で
ギターリストの【チャーリー・クリスチャン】が在籍していた点でも有名です。
因みにスタッフ・スミスは1909年生まれなので、この楽団に在籍時は二十歳前後!!

「バイオリン」はアイリッシュ・ミュージックでは「フィドル」と呼ばれ、
「楽器」と云うの意味の他に「くだらない」とか「つまらない」と云う意味をも
持っているようですが、彼ら(スタッフ・スミス、ステファングラッペリ)の
演奏を聴けばそんな意味など忘れてしまうのでは?