5/09/2010

音楽の入手方法、今昔

突然だが、ひとつ質問を…。貴方は友人から
「○○のアルバム、聞いてみたらいいかも」と言われた、とする。
更に、貴方は"○○"に興味を持ち、聴いてみたいと思った、と仮定する。

その場合、選択肢としてざっと考えられるのは、以下の通りだろうか。

①ネット上、または販売店にてCDを買う
②ネット上で公式にその楽曲をダウンロードする
③レンタルショップに出向き、そのCDを借りダビングする
④ネット上、または販売店で中古のCDを買う
⑤図書館でCDを借りてダビングする
⑥YouTube等の、ネット上で晒されている音源を捜してダウンロードする
⑦その友人は音源を当然持っているだろうから、友人から借りてダビングする
⑧P2Pを利用して、友人からネット上で楽曲のデータを送ってもらう
⑨公共の電波でその楽曲が流されるのを辛抱強く待って、録音する



さて、貴方はどうやって"○○"の楽曲を聴くだろうか。

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インターネットの普及により、CDの売り上げが激減し始めてから数年が経った。
先月下旬にはCDシングルチャートの100位の売り上げ枚数がたったの530枚、
という事態に陥り、ちょっとしたニュースになったばかりだ。

また、今月始めのニュースとして日本レコード協会が先頃発表した数字により
「CDだけでなく、ダウンロードまで売れなくなっている」という懸念が数値化して表れた。

米アップル社の有料音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」の統計によると
売上高ベースで18年は対前年比56%増、19年同41%増と急激に市場を拡大したが、
昨年はほぼ横ばい。数量ベースだと0.2%減と調査開始以来初の減少に転じているという。
また市場の牽引役だった"着うた"の売上高も、大幅に減少しているそうだ。

②の選択肢であるiTunesを試した事のない自分にとっては「ふうん、なるほど」程度の感想しか
持ち得ないのであるが、それでも音楽業界の栄枯盛衰の激しい浮き沈みぶりは理解出来る所だ。

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さて、最初の質問の九つの選択肢のうち、①・②・③は問題無いとして④~はどうだろう。
ここからは想像でしかないが、若者達は⑥や⑦、⑧の選択肢を取る者も多いのではないだろうか。

日本レコード協会によるとCDだけでなく、ダウンロードまで売れなくなっている原因として
"違法サイトからの無料ダウンロード"を上げている。また18年の調査によると
違法ダウンロードの総数は有料配信より1億4500万件も多い年約4億7千万曲だった
(一体どうやって調べたのだろう…)そうだ。

また、今年1月には改正著作権法が施行された。主旨としては
「違法サイトの制作者だけでなく、違法と知りながら音楽や映像をダウンロードする行為も違法となる」
という事なのだが、私的利用での刑事処罰が無いため、この事態が好転するとは到底思えない。

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4月に三洋電機からラジオ付きICレコーダー「ザクティ サウンドレコーダー
ICR-XRS120MF」が発売されてちょっとした物議になった。と言うのも
このレコーダーには《楽曲セレクト》という機能がついており、「FMに限り、
人の声と音楽の違いを判別し、音楽だけを録音することができる」という。ラジオDJを
生業としている者から見れば「バカにするな」ということらしい。

このニュースはネットで知ったのだが、その機能の是非というよりは
今はラジオもインターネットラジオやradikoに変わり、レンタカーからも
ラジオが消えつつあるこのご時世に"未だにエア・チェック(⑨の手段)派が
存在する"という事自体に少し驚いた。(メーカー公式HP ICR-XPS03MF

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最後に。このニュースについてのとある書き込みが心に残ったので記しておく。


「ゴハンよー」(母の声)
「ちょっと!今カセットテープに吹き込んでるから音立てないでよ!」
・・・そしていつの日にか録音に混じった家族の声の方が大切になる。