【 Introduction 】
先月の話になるが……拙エントリーにてウディ・アレンの映画
『 ギター弾きの恋 』を取り上げた。その際、ショーン・ペン演ずる
主人公が口のきけない女の子にギターを弾く場面について───、
僕は下手な絵を四つほど描いては色々と適当な事を述べている。
その中で、”夢のシャボン玉 / I'm Forever Blowing Bubbles”
について幾らか割愛してしまったので、それを今回少し記してみたい
と思う・・・とまあ早い話、その時に描いたまま未使用の絵がある
ので、それを流用がてら簡単に曲の紹介をしようと思う。
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I'm Forever Blowing Bubbles by Arthur Adolph Harpo Marx (1888~1964)【 I'm Forever Blowing Bubbles 】
夢のシャボン玉───映画『 ギター弾きの恋 』において使われた曲は、
それがウディ・アレンが賞賛して止まない喜劇役者マルクス兄弟、中でも
ハーポ・マルクスの持ち曲だった事にも大いに関係しているのだろうが……
兎にも角にもとても印象に残る曲である。映画のハイライトはここですよ
と観てる側に理解させるのに十分な役割を果たしているだろう。
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オリジナル曲の発表は1919年というから第一次世界大戦後のパリ講和会議の
ヴェルサイユ条約が締結された年、───日本だと大正八年にあたる。
まあ、相当に古い曲と言えるだろう。因みに作風の模倣”パスティーシュ”
があるかは別にして・・・野口雨情作詞・中山晋平作曲の有名な童謡
『 シャボン玉 』は大正十一年(1922)の発表である。
僕はフットボールには詳しくないのだが…この『 夢のシャボン玉 』は
英国のクラブチームのサポーター・アンセムとして歌われていて有名らしい。
YouTube上に野太い声での合唱の動画が多数散見されるではないか……。
そうか・・・。さて、古い曲なので著作権も失効していると解釈して、
最後に歌詞のようなものを簡単に記して終りにしようと思う。
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夢のシャボン玉
僕はいつだってシャボン玉を吹いてる
ふわふわと空中に浮かぶ虹色の玉
どんどん高く飛んで
もっともっと空まで飛んで ・・・
いつのまにかこわれて消えるけど
僕はいつだってシャボン玉を吹いてる
ふわふわと空中に浮かぶ夢の玉
I'm forever blowing bubbles Pretty bubbles in the air.
They fly so high Nearly reach the sky,
Then like my dreams They fade and die.
Fortune's always hiding I've looked everywhere,
I'm forever blowing bubbles Pretty bubbles in the air.
Sorta goofy but sad too.
" I'm Forever Blowing Bubbles "
John Kellette / Jaan Kenbrovin (1919)
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Woody Allen and his New Orleans Jazz Band ── Allen Stewart Konigsberg(1935~)
補足: マルクス兄弟 |
by gkz
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参照資料
『 マルクス兄弟のおかしな世界 』 ポール・D・ジンマーマン 著
仲原弓彦 永井淳 訳 晶文社 1972年
The Marx Brothers At The Movies : Paul D.Zimmerman and Burt Goldblatt
『 ウディ・アレン バイオグラフィー 』 ジョン・バクスター 著
田栗美奈子 訳 作品社 2002年
Woody Allen A Biography : John Baxter
『 Wild Man Blues 』 re-recorded selections CD BMG 1999