~ Tokyo Opera City Tower ~
《 for maria anechoic room version 》 |
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【 Introduction 】
無響室────
音が響かないように音を吸い込む材料で作られた特別な部屋だ。
声を出したり手を叩いても、そこでは音がほとんんど残響しないという・・・・・
そんな自然界ではなかなかありえないデッドな人工空間が都内にある。
初台駅にある東京オペラシティタワーの4階フロア───文化施設ICC
(NTTインターコミュニケーション)内の一角にある部屋がそうだ。
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~ Inter Communication Center ~【 Open Space 2010 】
ICCとは先進的な芸術表現とコミュニケーション文化の可能性を
感じられるようにと、年間を通して多種多様な展示を行っているという。
アナヨルチーム。普段はおのおの個別に活動してるので久しぶりの顔合わせ……。
定例会というのか?オフ会?も兼ねて、今回は初台まで見学しに行くことになった。
尚、入場も無料と言う事なので貧乏ミュージシャンにはこれまた嬉しい限りだ。
オペラシティタワーに足を踏み入れると、平日とはいえさすがにオフィスや
店舗など多くのテナントが入っている複合施設だけある。昼時を過ぎた頃という
こともあってか、ビル内はビジネスマンや学生など大勢の人で賑わっていた。
エスカレーターとエレベーターを乗り継いで目的のICCに辿り着く。ここは一転して
人影もまばらで静かだ。受付を経てゆっくりと展示スペースを奥へと歩いていく───。
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~ Icc Entrance Lobby ~【 Anechoic chamber 】
無響室────、
なるほど、薄暗い室内に入ってみると無響の特性であるからにして、
外部の音がまったく聞こえずほぼ無音に近い。壁には反響を防ぐ為の
独特の加工が見える。それと…… あれ? スピーカーが組まれている???
係りの人によると、ちょうどこの無響室をテーマにした作品展示の期間中であるらしく、
厳密には室内は通常の無響の状況ではないと言う事だ。そういえば……部屋の入り口に
” 渋谷慶一郎+evala 《 for maria anechoic room version 》 2010 年 ” とあった。
どうやら今回はこの実験的作品を体験する事になる見込みだ。そして作品の性格上、
展示一回につき一人ずつの無響室への入室となると告げられた。・・・であるので、
来週以降のアナヨルでも引き続きこの無響室について、メンバー各個人のレビュー・
エントリーが続くことになるだろう。是非、皆さまにはお付き合い願いたいと思う。
それはそうと、その前に・・・さっきから係りの人の説明する声がどこか変わって聞こえる。
普通ではない。やはり無響室の中だからなのだろうか…、まったく響かない声なので異様だ。
立ってる所からの距離に対して声自体がずっと手前で、距離がとても近いように感じる。
この感じ…… 何かに似ていると思った。何だろう。何だっけ?これは確か…… 、
しろ、白、雪────そうか!真冬の積雪の日。あの、辺り一面を雪に囲まれた時の
状況と声の響き方が似ているのだ。 そうこう勝手に思ってるうちに係りの人は
部屋を退出していて、気がつけばいつの間にか一人きりで無響室に立っていた。
そうそう実験的音楽。 さて、一体どんな作品が始まるのだろう──── 。
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by gkz
~ Interplay Ⅶ ~ 無響室 その2 DJ 編はこちら