8/01/2011

大人になる と云う事は



伸吟。


" Bebop の Betty Boop "
先程、別口の某サイトにて、楽曲紹介を書き始めていた。
今月は夏らしい曲を…とBlossom Dearieの"Once Upon A Summertime"を
取り上げようと思い、改めてディアリーの来歴を調べ直そうとしてすぐに、
あっ… と、指がキーボードの上で止まってしまった。

" 2009年2月7日死亡 "
そうして、彼女が亡くなっていた事実を知った。


Blossom Dearie " Blossom Dearie "


動画投稿サイトにて、御年を召した後も矍鑠とライブを行う姿に感心し、
また同時に油断してしまっていた。つい先週も友人と「今後行きたいライブ」
の話をしていた折にも筆頭に挙げていたミュージシャンだったのだが
───────永遠に叶わなくなってしまった。


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" 歌にメッセージを込めた詩人 "
また拙ブログにてプロテスト・ソングに関するレビューを書く折にも
Gil Scott-Heronの死を知り(追記2参照)、少なからずショックを受けた。

何時だったか、下北沢の某レコード・ショップにて「ギル・スコット・ヘロンの
"Winter in America"のアルバム全曲の歌詞を調べているが中々難しい」と
オーナーに愚痴っていた所、オーナーが「日本盤CDのライナーは俺が書いた
から」と仰り、御厚意に甘えて廃盤になっていた日本盤のライナーと歌詞の
コピーを有り難く頂戴した事もあった(今でも大切に仕舞ってある)。


Gil Scott-Heron/Braian Jackson " Winter in America "


バラク・オバマ大統領就任式の中継の折、ジェシー・ジャクソン師の感極まった
表情が画面一杯に映し出されるのを見て"あぁ ギル・スコット・ヘロンも見て
いるかな、どう感じているのだろう"と想いを馳せた事も記憶に新しいのだが…



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" Starchild "
先々週紹介したBOOTSY来日予告記事を書く時にも、Garry Shiderが2010年
6月16日に亡くなっていた事に遅蒔きながら気付き、驚愕すると共に
不覚にも記事を書こうとするその時まで彼の死に気付かなかった自分
に対して猛然と腹が立って仕方が無く、遣る瀬無い気持ちに襲われた。

Garry Shider


彼がP-FUNKの中核、参謀として果たしてきた偉大な足跡や
その音楽的才能云々については、電気羊が書くまでもない。
と云うか、到底書き尽くせる筈も無い。

ただ 彼の死に際し、ご遺族にて発表された内容
だけは今更ながらにでも記しておかねば、と思う。

ゲイリー・シャイダー本人からの最後のメッセージ。


Alright my family, friends, and fans.
I've come to the end of my funky journey,
and it was a hell of a ride!!

No tears,
just continue to spread the grooveallegiance
around the world so that we live on!!

Love you guys!!
Think of me when u look up at the stars!!
Starchild

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家族のみんな、友よ、そして全てのファンへ
俺のファンキーな旅は終わりを迎えた。
それにしてもなんて乗り心地の人生だったんだ!!

泣くなよ、
ただ世界中にグルーヴを広げ続けてくれたら、
俺達は生き続けることが出来るんだからな!!

みんなのことを愛してるよ!!
夜空の星を見上げたら俺を思い出してくれよ!!
Starchild





結局、
彼は真のスターチャイルドへと変貌を遂げただけなのだった。
Grooveallegiance。
今一度Funkへの忠誠を新たにし、真のFunkatierとなるべく
歩を進めなければ────────────────


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ファン と云う生き物は全く身勝手なもので、彼、彼女達が紡ぎ出す音に
何時までも浸って居られるるものだ…と何故か思い込んでしまうものだ。


大人になる と云う事は、
こうして大好きなミュージシャン達が
次々に彼岸へと去り行く後姿だけを
呆然と見送り続ける事なのだろうか?